second call

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うん。 やっぱりね、人間は諦めが肝心だと思うんだ。 どんなに頑張っても無理なことってあるんだよな。な? そんなグダグダな感じで何とか家まで辿り着いた俺だが、さぁてねぇ……。 手に持ってるビニール袋を確認してみる。恐らく中のハーゲン〇ッツ十個は無事ではあるまい。リキッドにはなっていないだろうが、クリーム状にはなっている可能性は十分ある。 美咲、許してくれ……。 「ただいまー」 玄関を入るが、反応はナシ。 寝てるのかな? 「美咲、買ってきたよ」 「あー……あっ」 ……。 居間に入った俺を迎えたのは、「あー」と言いながら扇風機をホーミングしている美咲だった。 「す、すみません!」 いや、謝らなくていい。 俺もついさっきまでやっていたからな。 「扇風機見るとついやりたくなっちゃいますよね。えへへ」 ペロッと舌を出す美咲。 あぁもう! どうしてこう一々可愛いんだ! 「はい。これ」 「わぁ!ありがとうございます!」 美咲はクリスマスプレゼントを渡された子供のような顔をした。 ここまで喜ばれると俺も嬉しい反面、罪悪感に苛まれる訳だが。 「ごめん。溶けてるかも知れないけど……」 「全然いいですよ。私、アイスは温めて食べますから!」 ……。 俺の心配は杞憂に終わったようだ。 意外とメジャーなのか?この食べ方。 「悠二さんも食べますか?」 ハーゲン〇ッツを一つ取り出し、俺に突き出す美咲。 うん。明らかに溶けてるよね。これ。心無しか、カップがフニャフニャだもん。 「すまん。ちょっと風呂入ってくる」 ここはひとつ、風呂に入って疲れを癒すとしよう。 溶けたアイスが嫌な訳じゃないぞ? 「あ、あの!」 居間を出ようとした時、不意に美咲に声を掛けられた。 「ん?」 「ありがとうございました!」 ペコリと頭を下げる。 うーん。 何だか恥ずかしい。 「ん。気にするな。そのかわり、ちゃんと味わって食べないと怒るからな?」 「はい!」 俺の目の前には、見てるこっちが元気になるくらいの笑顔を浮かべている美少女が一人。 ま、妥当な報酬だろう。 さて、風呂に入ってくるか。
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