second call

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嫌いだったピーマンを久々に食べたら意外と美味かったことに気付いた子供みたいな気持ちで浴室をあとにした俺だが、一つ重要なことを忘れていた。 美咲は風呂に入るのだろうか? 人形だから普通は入る必要はない。しかし、機能は人間と変わりないと言っていたから、汗をかくだろう。 やっぱり風呂にも入りたいよなぁ。そしたら沸かさなければならない。 そういえば、食べ物はどうやって消化しているんだ?人形だから消化器は無いと考えるのが妥当だろう。 内蔵がないぞう。 なんてな。 まぁ気にしたってしょうがないな。 某漫画の人形も普通に食事してたし、本人は人間と同じだって言ってたし。 とにかく今は風呂をどうするのかを訊くことが先決だ。 「おーい。美咲ー」 「すー……」 居間のドアを開けると、可愛らしい寝息が俺を迎えてくれた。 美咲がソファーで寝ているのだ。 近づいてみても起きる気配はない。 無防備だなぁ……。 一緒に居るのが俺じゃなかったら襲われても文句は言えないぞ?スカートで横になるのはダメだって! 机に目をやると、空になったアイスのカップが重ねて置いてあった。 俺が風呂に入っていた時間は、多く見積もって十五分。そんな短時間の間に全部食ったのか?一個あたり二分掛かってないぞ? この華奢な体のどこに入ってるんだ? いや、気にするのはそこじゃないか。 「ん……」 わずかに身じろぎをする美咲。 こんな体験、前にもしたな。今回の方が遥かに可愛いが。 起こすのは忍びないな。かといってこのまま放置しておく訳にもいかないし。 やっぱりあれか? あれしかないのか? 「致し方なしか……。痴漢とか言ってくれるなよ?」 一応念を入れておいて、俺は美咲を持ち上げた。 いわゆるお姫さま抱っこというやつだ。 うむ。軽い。
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