fourth call

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帰ってきた美咲は、落ち着いた色合いのブラウスにプリーツスカートという服装だった。 何ともまぁ清楚な装いで。 さっきのメイド服よりもこっちのがいいね。俺としては。 「未練ってのはあとどれくらいあるんだ?」 朝食のトーストをかじりながら俺は聞いた。 「んー。そうですねぇ……」 美咲はイチゴジャムを塗る手を止めて、考えるように顎に手をやった。 まぁそれ程多いとは思えないが。 「二つくらい、ですかね?」 二つか。 予想以上に少ないな。 今日中に片が付くんじゃないか? 「分かった。とりあえず、今日出来そうなものはあるか?」 「うーん……」 全く関係ないんだが、考えながらジャムを塗るのはやめた方がいいと思う。何か地層みたいになってるもん。掘ったら化石ぐらい出てきそうだ。 でも止めない俺。 「実家に帰りたいです」 実家か……。 大丈夫なのか? 「大丈夫ですよー。ちょっと様子を見るだけですし、見つかっても誤魔化せますから」 うむ……。 俺はあくまでも保護者としてついていくだけだし、別に止める必要もないか。 「美咲の実家はどこにあるんだ?」 「ここからなら、そんなに遠くないですよ」 そうか。 そりゃあ良かった。 「はい!電車で三時間ぐらいですよ!」 世間ではそれを遠いと言うんだ。全然近くないよ? 「三時間か……」 隣県だな。確実に。 どうすんの?山一つ越えちゃうよ? 時刻は午前九時。 早く出ないと帰りが遅くなるな。 「よし。飯食べたらすぐに出発しよう」 「はい!」 「早く食べろよ?」 「分かってますよー。……あ」 もはやゼリーのようになっているジャムの厚い層。 どう食べるのか見物だね。
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