fourth call

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「着きました。ここですよ」 一体どれくらい歩いたのだろう。 そろそろガソリンスタンドに入って給油しなければと思った時、不意に美咲が足を止めた。 「ここが……お前の家か?」 「えぇ。そうです」 「……」 俺の目の前には、デーンと構えた立派な門がある。 その奥にはさらに立派なお堂がデーンと構えていて、全体的に見ればデーンと構えた立派な寺ということか。 ……自分で言ってて訳分からん。 「お寺の娘さんだったのか……」 「はい!写経もバッチリ出来ますよ!」 いや、そんな得意気に言われても反応に困る。 「驚きましたか?」 「正直な。よく出来た娘っ子だとは思っていたが」 「親の躾の賜物ですねぇ。やっぱり感謝しないと」 美咲は腕を組んでウンウン頷いている。 そんなに厳しいのか。坊さんの躾と言うのは。 「父親の性格かも知れませんねぇ。礼儀作法から何から徹底的に叩き込まれました」 そんな娘がハーゲ〇ダッツを十個も食いたがるのか?どうでもいいが。 つーか自分の娘も成仏させられない坊さんってのはどうなのよ? 何か問題ありゃしないか? 「さ、ちょっと入りましょ」 美咲は俺の腕を引っ張った。 「おいおい、そっちは住居の方だろ?勝手に入っていいのか?」 「ご心配なく。私の家ですから!」 そりゃそうだがな、お前は一回死んでるんだ。死んだ娘が帰ってきたなんて言ったら、ここを総本山とする新興宗教が出来るかも知れないぞ? 「大丈夫ですって!お父さんなら、今頃はパチンコですから!」 煩悩を捨てろよ坊さん。
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