fourth call

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通された部屋は真ん中に机が置いてある広い和室だった。座布団もきっちりとセットされている。 客室といった所だろうか。 「どうぞ掛けて下さいな」 「ども」 俺が座った隣に美咲も座る。 「お茶を煎れてきますから、適当にくつろいでてね」 言い置いて、美咲母は部屋を出ていった。 「大丈夫か?」 俺は美咲に話し掛けた。 「……はい」 さっきまでの元気一杯な姿とは一変、ずっと押し黙っままでいる。まるである日突然不治の病を宣告された人のようだ。 ここはそっとしておくべきか……。 「……ん?」 ふと、部屋の隅に仏壇があるのを見つけた。誰のかは言わずもがな。 来たついでだ。 線香の一本も上げていこう。 俺は立ち上がり、仏壇に向かう。 「あれ?」 仏壇の真ん中にある写真立てを見て驚いた。 黒い縁取りの中で笑っているのは、色白で肩ほどまでの髪の少女。恐らくこれが生前の橘美咲その人なのだろう。 今の姿からはおおよそ見当もつかないな。俺の斜め後方に座っている美咲をヒマワリとすれば、こっちの美咲はエーデルワイスと言うところか。 まぁ人形に憑依してるのだから、当然と言えば当然だが。 ……おや? 線香が無い。切らしたまま補給を忘れたのかな? 仕方ない。 手だけ合わせとくか。 俺は目を瞑った。 「ごめんなさいねぇ。お線香、買ってくるの忘れちゃったのよ」 顔を上げて入り口の方を見ると、美咲母が湯呑みを乗せたお盆を持って立っていた。
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