fourth call

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子供を失った悲しみと言うのは早々癒えるものではないらしい。 俺は子供が居ないから、親心というのはよく分からない。 だけど奥さんの姿を見ていると、美咲がどれだけ愛されているのかが、何だか分かる気がした。 「本当に……あんな事故さえなければ……」 「交通事故で亡くなったんですよね?」 「えぇ。飲酒運転の車に突っ込まれて……」 「……え?」 飲酒運転の車だと? 一体どういうことだ? 「私は直接見た訳ではないから、詳しいことは分かりません。だけど、信号待ちをしているあの子の所に、車が突っ込んだのだと、警察の方から聞きました」 「そう……だったんですか……」 ショックが大きかった。 美咲は、ただの事故で死んだ訳ではなかったんだ。 いや、事故というのもおこがましい。 飲酒運転の車に突っ込まれたなんて、殺人事件も同然じゃないか! 俺は自分の拳に力が入るのを感じた。 「ちょっと、大丈夫?」 奥さんが美咲に声を掛けた。 「あ……ああ……」 見ると、美咲は震える手で頭を抱え、ぎゅっと目を閉じている。 「お、おい――」 「車が……車が……」 車? 今、車と言ったか? ……まさか。 事故の時の記憶がフラッシュバックしたのか? 「すみません。ちょっと席を外します」 とにかくここに居るのは得策ではない。 俺は美咲を連れて部屋を出た。
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