sixth call

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皆神神社までは、まだまだけっこうな距離がある。 そこまで屋台の列が続いていると考えると、この祭にかける店主の意気込みというのが、何だか分かるような分からないような。 需要があれば供給があり、供給があれば需要がある。それと同じように、客が居れば屋台が出て、屋台があれば客が寄ってくる。 こんな祭にも経済の原理がしっかりと働いているんだな。 まったく。 世の中ってのは本当によく出来ている。 「あっ、可愛いぬいぐるみ」 射的屋の屋台の前で、美咲が足を止めた。 「うん?」 ……なるほど。 右端のクマのぬいぐるみか。 「いいですよねぇ、ああいうの。ぎゅーってしたら気持ち良さそう」 何やら目を細めてぬいぐるみを見つめている。 いくら大食らいと言っても、こういうところは女の子か。 や、今のは失礼な発言だったな。 「取ってやろうか?」 けっこうな大きさがあるが、取れない大きさではないな。 「えっ!?取れるんですか!?」 信じられない、という顔をしているな。 ふふふ……。これでも俺は射的の腕は大したものでね、谷口から『デューク豊口』なんて異名を付けられちまったぐらいなのさ。 ひどい異名だろう? だから普段は決して自分の口からは言わないようにしている。 「まぁ見てろって」 屋台のおっちゃんに金を払い、銃と玉を貰った。
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