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何にせよ死なずに済んだ訳だ。今回は沙里奈に感謝しなきゃならん。
「世話かけたな」
「ま、私としてはあのまま見送ってもよかったんだがな」
冗談言うな。
俺にはまだまだやりたいことが沢山あるんだ。
今度は俺が成仏出来ずに現世に送られることになるぞ。
「ごめんなさい……」
ますます縮こまる美咲。
いやまぁ……助かった訳だし?今回のことは水に流そうぜ?
「そういえば、美咲は成仏出来るのか?」
結果的に未練を残すことになっちまったが、最後のだけはどうにもならん。
成仏出来なかったら、責任は俺にあるってことになるのか?
「特例が適用されるように根回しをしておいた。私の権限を持ってすればそれくらいのことは容易い」
「そうか……」
めでたしめでたしってか。
「そんなに心配なら、お前がついていって美咲の望みを叶えてやればいいだろう?」
一度終わった話を蒸し返すなっての。
何を怒っている?
「別に、怒ってなどいない」
沙里奈はぷいと横を向いてしまった。
訳が分からん……。
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