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「……ん?」
目を開けると、満天の星空が俺を迎えてくれた。
仰向けに倒れているということは、無事現世に戻ってこれたのだろう。
「夢……ではないな」
後頭部に残る鈍痛。
これは間違いなく美咲に殴られたせいだ。
まったく。
えらい土産を置いていきやがって……。
「……ん?」
どうやら美咲が残していったのは、でかいタンコブだけではないようだ。
ベランダの床にちょこんと立っていたのは、白いシャツにワインレッドに揃えられたネクタイとスカートに髪型はツインテールの、手の平サイズの人形だった。
間違いない。
美咲が憑依していた人形だ。
名前は確か、メリーと言ったか。
「やれやれ……」
人形を手に乗せ、ため息を一つ。
自然と顔がほころんだ。
「ペットは飼い主に似ると言うが、人形は持ち主には似ないんだな」
花火が一つ空に上がり、鮮やかに散っていった。
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