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「あっ…!」
私がこう叫んだのとPKが姉御の後ろに回りこんだのはほぼ同時だった。
「死ねぇ!!」
PKがそう叫び姉御の背後から大剣を振り降ろそうとした時
「な!?いない!?」
目の前にいたはずの姉御の姿は消えていて
「馬鹿だなぁ、遅すぎるよ♪」
という得意気な姉御の声が上からした。
何故上から声がしたのか。
姉御は首剃の長い持ち手を棒高跳びを跳ぶ為の棒の様に操り、PKの後ろに回りこんだのだった。
それに気づく間も与えないまま、姉御は思いっきり鎌を構え
「蒼天大車輪!!」
「ぐぁっ!!」
見事に技を決めた。
勝負は一瞬で幕を閉じた。PKはその場に倒れ、動かなくなった。
「あれ?もう終わり?
…つまんないなぁ」
「姉御!!」
私とグローリは姉御に駆け寄る。
「大丈夫だった!?」
「大丈夫大丈夫wあれくらいのPKなら普通に勝てちゃうよ♪」
「スゲーなぁ…」
と会話をしていた時、私は気付いた。
「あれ…?さっきPKされそうになってた人いない…」
「え?マジで?」
PKが倒れた事により、バトルエリアは消滅した。
だがそこにさっき襲われていたPCはすでにいなかった。
見えるのは灰色に染まったPKだけだった。
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