地面に縛られた少女と時間を気にする僕

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暴力的=ツンデレの方式で、合っているのか? 僕は悶絶と葛藤をした後、これ以上コンボは御免なため、渋々ベッドから立ち上がり、窓を閉めると共に、生温い風と脳内に再生されていた雑音とお別れした。 するとイヤホンは必要がない、僕は徐に右耳の安っぽい白のイヤホンを外す。 急に現実へ引き戻される気がした。 急に恐くなって、再び着け直した。 ベッドの上には少女が首を傾げてこっちを見ていた。 「覚えていなければ、幸せなんだろうか?」 彼女の口は答えない。代わりに瞳が訴える。だけど今度は僕には理解できない。 彼女は、少し照れ臭そうに笑った。 だらしなく伸びた真っ白な両足がベッドの上に転がっていた。 真夏の太陽、何処へ行けばいいか分からず、ただひたすらに歩いた。軽薄そうな真っ白なカーテンが僕の後を押す。 「どこへでも行け」 と、それが当然だったから…… 「…イテッ」 玄関を見つめていたはずの視界が、真っ白に染まる。痛覚、それが現実への手引き。 姫様がジェスチャーでお腹辺りを押さえる。腹痛ですか? ベッド脇に置いてあったぬいぐるみが飛んでくる。なら整r……目覚ましが飛んで来そうだったので口を閉じる。 そして壁掛け時計を確認して、朝食兼昼食を作る為に台所へ向かう。 はて、料理なんてできただろうか? てんに身を任せて玉子焼きでも造ってみよう。この場合の「てん」は「天」ではなく「…」が正しいのである。 …… ……… チン! ……
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