護衛

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~森の中~ 皆は清掃された森の中の道を、列をなして進んで行く。 列の真ん中には商人と荷物が乗った馬車が2台。 その馬車を囲むように並ぶ銃撃部隊。 馬車の前には斬撃部隊。 そして馬車の後方には槍撃部隊。 そんな形で鎧をガチャガチャ鳴らしながら進んでいく。 後方を歩いているジンは、何かの気配を感じ、ふりかえる。 (……気のせいか??) 疑問を感じながらも前を向く そして木の影から兵士達を睨む無数の目。 歩く事約一時間。 皆は森の中心部で休憩していた。 ジンはソルスの元に歩み寄る。 「おい、気付いてるか??」 皆に気付かれぬよう小声ではなすジン。 「あぁ。約30~40ぐらいいるな」 警戒されぬよう、うつむいたまま答えるソルス。 「いや、まだ増えてる。多分もう少ししたら仕掛けてくるぞ。」 溜め息をつきながら喋るジン。 2人の強さは下級兵士の中では、〝上ノ中〟あたり。 押し殺した気配ぐらいは簡単に感じれる。 だが他の兵士達は何も分かっておらず、楽しく仲間と話していた。 そんな中、とうとう気配の主が仕掛けて来た。 「ギャァァァァァァァ」 1人の兵士が叫び声をあげる。 ソルスとジンは慌てて、悲鳴を上げた兵士の元に走る。 そこには倒れる兵士の足に牙を突き立てる黒い影があった。 「狼か……。」 冷静に呟くソルス。 ジンは槍を握り狼を突く。 ドスッ 鈍い音を立て矛先が狼の胸部辺りに刺さり、動かなくなる。 「大丈夫か??」 ジンは噛まれた兵士に歩み寄り尋ねる。 「痛みますが……なんとか…」 苦しそうに呟きながらも立ち上がる。 「…誰かこいつを馬車まで運んでくれ。」 そう言うと2人の兵士が近寄ってき、怪我をした兵士を連れていく。
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