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キーンコーンカーンコーン♪
「はぁはぁ。間に合って良かった~。」
(体育館どこだろ?)
良子がキョロキョロしていると…。
「お前も新入生だろ?」
金髪(茶髪とおりこしてまさに金髪…今時珍しいヤンキーだよ…)のカルイ男が話しかけてきた。
「そうですけど。体育館がわからなくて…。」
「連れてってやる」
(えぇっ!いいからマジで!一緒に行ったら目立っちゃうよー涙)
良子の気持ちに気付かずに金髪ヤンキーくんは
「どした?行かねぇのか?」
屈託ない笑顔で聞いてくる。
(あたしと一緒で嫌じゃないのかな…?)
「めんどくせぇな。」
金髪ヤンキーくんは良子の手を握って走り出した。
「ちょっ…待っ…。」
「遅れるぜ。行くぞ。」
「うん。」
(見た目で判断しないなんてイイ奴なんだなぁ…。)
(あれが体育館だ。間に合った~。)
「じゃーな。」
(あ…何か言わなきゃ…。)
「あ、あの…。」
「ん?」
「ありがとう。」
「ああ。じゃーな。笑」
(あ…すごい優しい笑顔…。)
(ていうか、あたしが見た目で判断してたみたい。悪かったな…。今度、会えたらあらためてお礼しよ…。)
中に入るとまだみんなザワザワしていた。
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