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最期のメッセージ
貴方にもう一度だけ会いたかった。もう一度、もう一度だけ。
でも…、私の体は動かなくて…壊れていて…。
あぁ…こんな事になるなら伝えておけば良かった。
愛しています。
誰よりも、貴方だけを。
私の目はもう見えなくなっていて、貴方の涙を肌に感じた。
泣かないで、と言いたくても、言葉にはならなくて…。
それでも伝えたくて。必死になって声を絞り出す。
「泣、かな…い、で…」
掠れた声。とても小さな声だけど、貴方に届いたかしら。
もう私は動かない。
壊れた人形のように、二度と温もりを感じる事はない。
心残りは沢山ある。
貴方を置いて逝く事…「愛してる」って言えなかった事…もっと一杯夫婦らしい事もしたかった。
沢山、沢山…言いたい事があった。
それでも、私は…壊れてしまった。
ねぇ、最後の声は届きますか?
『愛してます。貴方と過ごした全ての時がとても愛しい…。今まで、ありがとう』
そして…
『貴方の心の中に私は生きている』
と…。
伝わりましたか…?
私の愛しい人…。
永遠に愛してます。
最期のメッセージ 終
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