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『もー、いいから。ほらほら。』
奈々にも湊にも似た
子供、稚隼は母親に
背中を押されながら
歩いた。
今4歳である。
そして、奈々は
また困り出した。
書類を湊の元へ
届けるか、届けないか。
すると、
ピルルルルル…
と、電話が鳴った。
家の電話だったので、
いち早く気付いた稚隼が取る。
『ぁい!もしもし?パパ!?』
稚隼は、父親からの
電話だと思っていたのだ。
書類を忘れたから。
「……」
なのに、電話は
無言だった。
『もちもーち?パパじゃにゃいの!?』
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