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この街に住む者は皆、花火を見るために出かけたようで辺りは静か。
静に風が吹くと其れを教えるように、風鈴が揺れ小さく音を鳴らした…。
「元帥…ほんとに寝ちゃったんか?」
湯に浸かり上がったラビはクロスの寝室に行き、彼の顔を眺めた。
彼はラビの問い掛けに応えず片側を隠す仮面を外さず、目を瞑り静に息をしていた。
「(そう言えば…何年振りかな…?この人の寝顔を眺めるの…)」
何年か前に本部を出て…その頃から音沙汰不通。たしか…1、2年前に彼の弟子であるアレンを連れあるって居るところを見つけ……その日の晩に彼に抱かれて。
でも、あの時は俺の方が落ちるのはやかったし…。
「(もしかしたら…初めてかも…)」
クスクス笑いながら朱い髪をいじる。ぴくりと動くが目を開く気配がない。…目を覚まさない。
……
この様子を見てラビの心に少しの悪戯心が起きる。
「このまま起きないなら…。許されるか解らないけど…」
許されるかどうかなんて関係ない。
小さく笑むとラビは瞳を閉じその唇にキスを落とした。
「……お前なぁ…」
「…っ…」
「寝込みにやるとは、いい度胸じゃねえか?」
キスをした後、下から聞こえた声にラビは目を開く。顔を放そうとするとクロスの腕が首に回され、顔を引き寄せられて向きを変えられ…先程よりも深くキスをされ舌が口内に入ってきた…。
「ふ…んんっん…////」
ラビの口の隙間から息苦しそうに息をもらす声が聞こえる。
いきなりの行為、だが拒まず。受け入れるように相手の浴衣を掴み舌の動きに応えた。
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