*近道*

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「たく!ここ突っ切ったら早く家に着くんじゃないかな」 中指で眼鏡をくいっと直し、林の方を指差す1人の男の子 見たところ小学校の高学年くらいか、体育は苦手そうだ。 顔からはみ出した眼鏡には正規に付いてるものよりも3倍近く大きくなって写っている目が、せわしくぱちぱちしている。 「まじで!ぅしっあんけん行ってみようぜ」 と、未知の世界に顔を輝かせているのは¨たく¨と呼ばれた坊主頭の男の子 眼鏡の子と同級生だろう。この年頃の平均的な体格よりも若干発育がいいようだ。どちらかと言うとスポーツ少年といった感じがする。 「えぇーまほここ通るのーやだよーいつもの道行った方が早いよー絶対やだー!」 たくの肩辺りから明らかに不満の声が聞こえてくる。 色黒で髪をポニーテルにしている¨まほ¨は、あんけんとは対象的で見るからに活発そうだ。
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