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(えぇ~っと、コレは……何?)
月曜の朝は誰にとっても憂鬱。
そんな時、自分の目の前には黒い封筒。
朝の挨拶も適当に交わし、自分が使用する下駄箱の前で立ち往生。
ラブレターなんて可愛らしいさの欠片もない、只の真っ黒い封筒。
誰かの悪戯か何かだろうと、ソレを無視して上履きを取り上げ下へ。
「真ッ緒ちゃ~ん!」
ちゃん付けで呼ばれた自分は、こめかみに青筋を立てながら一息つく。
そして、名前を呼んだであろう人物は背後に接近中。
「気安く呼ぶんじゃねーーーーーッ!!」
振り返り様、右ストレート。
決まった……と拳が知らせてくれる。
清々しい朝から度肝を抜くような痛快な音も、毎度の事となれば周りの反応も薄い。
一瞬だけ視線を集めたが、後は個々に動き出す。
汚らしいモノに触れた拳を何度か振り、靴を交換すれば自分の教室へと足を進めた。
鼻血を流して倒れてる人物を完璧無視し、とっさに鞄に入れてしまった封筒に後悔する。
見てはいけないモノと、聴いてはいけない音を聞いてしまったから。
「朝っぱらから気分悪ぃ……」
「八城様~~」
さっきブッ飛ばしたはずの鼻血野郎が、懲りずに後ろをついてくる。
ぶん殴った方の名前は【八城 真緒(ヤシロ マオ)】高校二年の男子。
そして後ろからデカい図体でついて来るのが【春日井 燿梛(カスガイ アキナ)】同じく高校二年の男子で真緒のクラスメート。
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