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ここ最近になって、自分の周りをうろちょろする燿梛にうんざり。
あまり人に関わらずに過ごしたい。
そう思っていた矢先の出来事だった。
「真緒~~」
「ウザイッ!!」
180を超える身長に部活で鍛えた肉体。そして、人懐っこい性格で燿梛はクラスで人気があった。
それに比べ真緒は、170いくかいかないかの微妙な瀬戸際。肌も白く、制服を着ていなければ女に間違われる事もしばしば。
嫉妬もあるが、別に気にしなければ済む話。
それ以前に真緒は他人とは違っていた。
「真緒~~」
「ッ!?」
突然後ろから抱きつかれ、ヤバいと思いつつ振り払えなかった自分を呪うしかない。
触れてる部分を通して、脳内に映し出される映像。
「燿……ちょっと来い!」
首に絡まる腕を引き剥がし、スタスタと前を歩く。そうすれば、燿梛も頭に『?』を浮かべながらついて来た。
2~3度遠慮がちにノックしてドアを開ければ、白衣を着た見慣れない男が……
「すみません、コイツ怪我してるんで看て貰えませんか?」
「えッ!?」
見慣れない顔だったが、白衣を着ているのだから保健医だろう。
保健室の前で突っ立ってる燿梛を無理矢理中に引きずり込み、真緒は保健室を後にした。
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