32人が本棚に入れています
本棚に追加
柔らかな…でもない朝日が昇り、かまとの不気味に白い肌を照らした。
『う…うぅん。ここは…ど』
アティの真似もはなはだしいのでかまとのセリフを一部省略。
それからかまとはいやらしく立ち上がると、辺りを不気味な…本人はなまめかしいと思っている…目で見回した。
そこは、赤い大きな鳥居の見える神社だった。
辺りは堀に囲まれていて、人間たちの姿がちらほらと視界に入る。
『ここは、清らかなマナを感じるわね。ここにあたしのダーリンが待ってるのかしら?』
かまとはそう言うと歩き出した。
当然ながら、ピクシィであるかまとは普通の人間には見えないし、そのダミ声も聞こえない。
その時、バサササッと鳩の一団がかまとの前方に舞い降りた。
『いやーん!あたしのファンかしらん。』
『かぶだ。』
『かぶらだ。』
『朝飯だ。』
『でもまずそうだ。』
『ごるぁ!!今ぶすって言ったね!!!』
鳩たちのそれぞれの会話を勝手に解釈したかまとは、彼等が飛び立つより早く躍りかかった。
『焼き鳥にすんぞボゲェ!!あたしは肉は食えねえけど、マナ絞り出して飲み干すぞコラァ!!』
『ギャアアアア!』
『妖怪だ!』
『にずほぐだ!!』
鳩は狂ったように羽ばたき逃げようとするが、かまとの発した邪気が見えない障壁となって、かまとを中心にドーム状に広がっていた。
鳩たちの命運や如何に?!
最初のコメントを投稿しよう!