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右手に何か持って走ってくるチリチリ。
(ゲッ!ハサミだ!)
(さ、刺される!!)
慌てて逃げ出す俺。
「待てーーーー!その口切ってやる!」
(イヤだ!口は切られたくない!早く逃げなきゃ)
急いでアパートの階段を駆け下り、トラックに逃げ込んだ。
「ヤバい!トラック出して!早く逃げて!」
「どうした?なんかあったのか?」
トラックを運転していた藤堂君という人がビックリした様子で俺に聞いてきた。
「後で説明するから、早く逃げて!」
バックミラーを見るとチリチリがすぐ近くまで迫って来ていた。
(キターーーーーー!)
「藤堂君、早く逃げて!口切られちゃうから!」
キィキィキィキィキーーーーー!
ブーーーーーーン
あと一歩の所で俺を取り逃がしたチリチリは、トラックめがけてハサミを投げつけ、その場に座り込んだ。
その後、藤堂君にさっきのおばちゃんの事を説明すると、藤堂君も過去に似たような経験がありその時は、その家で飼っていた大型犬に住人が「噛め!噛み殺せ!」と命令していたので慌てて逃げ出したらしい。
恐ろしい……
もうおばちゃんには逆らわないでおこう…
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