君に贈るモノ

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  星に願い、   神様に願った。     愛を知らぬ私に愛を下さいと…。     愛されることを知らず、   愛することを知らないこの私に…。     心は寒く、   ポッカリと空いた穴から、   冷たい風が入り込む。     時が経つに連れて、   黒い心は赤みを忘れ、   冷たい心は暖かみを忘れていった…。     いつしか、 願うことも忘れかけた時、   深く濃い霧の中に、 あなただけが 鮮やかに浮かびあがった。     霧に迷った私を待ち受けていたかの様に…。     星に笑い、   神様に泣いた。     頬に流れる悲しみを忘れ、   冷たい痛みに微笑んだ。     だから思う。     あなたに星を捧げ、   流れ星を贈ろう。     光り輝く微笑みに   星を捧げ、   流れ出す優しさに   流れ星を。     欠けた月は   もう要らず、   冷めた光りは   流れる川へ。     入り込む風は   暖かみを帯び、   尖った心は   丸くなる。     空に悲しみを送り、   地に苦しみを植えよう。     悲しみが苦しみに水をやり、   2人で、 優しさと 暖かい光りを注ぐ。     そして出来た、   優しい光り。     優しく瞬く星を   淡く流れる星を   あなたに捧げる。    
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