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教室に帰ってきた暁を朔羅ともう一人、二人の共通の友達、中山葉澄(ナカヤマ ハスミ)が待っていた。
「あ、天野くん!大丈夫だった?」
「…あぁ」
「ったく、暁はすぐ立って寝るのな。入学式の時も寝てたろ?」
「ほっとけ…。眠いんだよ、あの空間…」
「はぁ~…、で?先公なんて?」
「夏休み始まって二週間は夏期講習に来いってさ」
「ふぅん、行くの?」
「めんどくせぇけどな。行かなかったら家来るとか言ってるし…」
「まぁ、頑張って…」
「あ…あの!」
「?」
暁と葉澄が喋っていると、急に朔羅が声を上げた。
「なんだよ?」
「か、夏期講習って、参加自由…かな?」
「知らねぇよ、そんなこと」
「自由じゃないかな?強制的に来させられてる人以外は♪」
「…喧嘩売ってんのか、てめぇ」
「まさか♪」
「あ、じゃあ…僕も、夏期講習……行こうかな…」
「けっ、物好きな奴」
悪態づく暁をクスクス笑いながら見ている葉澄を見て、朔羅は少し置き去りにされたような感覚に陥り、同時に憧れも抱いていた。
(…いいなぁ、僕も…こんなふうになりたいな…)
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