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―翌日:夏休み一日目―
夏休みに入って一日目、暁は学校の教室で黙々と課題をこなしていた。
夏期講習組は暁の他に、葉澄と他2、3人だけだった。
蝉の鳴き声が聞こえるうるさい教室に、クーラーなど無く、暁達は暑さでバテながら扇風機をまわした。
扇風機は微弱な風を送りながらまわっている。
無いよりはあったほうがマシという思考で、全員は課題を進めた。
―課題終了―
夏期講習は、出された課題が終わった者から順に、課題を提出し自由解散という形だった。
他の誰より早く終わった暁が課題を提出して、帰り支度をしていた。
「暁早過ぎ!お前本当は勉強出来るだろ!!」
「…さぁな」
「くっそ~!」
暁が帰り支度を済ませ、帰ろうとしたところへ、朔羅が入ってきた。
「お、おはよう…」
「あ、朔羅ちゃん!おっはー♪」
「…じゃ、また明日」
「えっ…?!おいっ、暁!!」
「天野…くん?」
暁は朔羅の隣を横切り、そのまま教室から出ていってしまった。
「…何怒ってんだ?暁の奴……」
「天野くん…」
朔羅はすっかり落ち込んでしまい、課題を10分で済ませて早々に帰った。
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