暁天―ｱｹｶﾞﾀﾉｿﾗ―

出会い

その頃、清楚な建物が建ち並ぶ一角に、一際目立つ綺麗な家で、天野暁(ｱﾏﾉ ｱｷﾗ)は大きな体を小さくして、今日から始まる高校生活に不安を抱えていた。

平均よりも高い身長、それに伴い綺麗についた筋肉、生まれた時も大きかった彼は、今も素晴らしい成長を見せていた。

身長180cm、体重65㎏。今も成長中だ。

彼は周りに不良だと恐れられていた。特に喧嘩をしたとか、事件を起こしたということはないが、大きな見た目と整いすぎた人形の様な顔が、そのような噂を生んだのだろう。

しかし、不良と言われれば不良なのかもしれない。

赤く染まった髪、酒も飲み、タバコも吸うのだ。

その見た目を恐れてか、彼女は今まで一人もいたことがない。

だからといって彼が不細工なわけではない。先程も言った通り、人形のように整いすぎた顔立ちをしており、女の子達は彼を陰でイケメンだと称している。近寄らないのは怖いからだ。

そんな彼は、男に告白された経験も持っている。

「君の男振りに惚れたよ」

そんな告白は何度もあるため、彼は軽く無視してきた。なので、女とも男とも仲良く出来た記憶がない。

そんな彼が、男子校で果たしてうまくやってけるのか、暁は大きなため息をついて、家を後にした。

「あぁ～…、サボりてぇ……」

自転車にまたがりながら、悪態づいて学校へ向かった。