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入学式を経て一ヶ月。運命の出会いはすでに起きていた。
それは今から二週間前。入学してすぐの朔羅が担任の教師に頼まれ、職員室にプリントを渡しに行った時のことだった。
ちょうど暁も授業での怠慢さが教師の怒りに触れ、呼び出されていた。
「…あ、双叶か。ありがとう」
「あ、はい。あ、あの…先生、あの人って…」
「ん?…あぁ、天野か。あいつには困ったもんだ。いつも授業をサボる。」
「…そうなんですか……」
「天野がどうかしたのか?」
「あ、いえ。ちょっと気になって。なんでもないです。失礼しました」
「あぁ、ありがとうな」
朔羅は職員室から出た。
「………って、聞いてるのか!天野!!」
「…すみませんでした」
「…まったく、次は無いからな!」
暁も教師の愚痴を聞き流しながら職員室を出た。
これが朔羅と暁の最初の出会い。話こそしなかったが、朔羅は、自分とは真逆の容姿を持つ暁に強く惹かれていった。
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