20人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから数日、夏休みが明日に迫った今、終業式中の生徒達は、暑さにうなだれながら校長の長々しい話を聞いていた。
その中で、講堂の後ろ側からいびきが聞こえていた。
「…天野暁!起きなさい!!」
前で話をしていた教師が大きな声で怒鳴った。
呼ばれた暁は状況を把握していないのか、寝起きの思考で考え、一言「もう、終わったのか?」と言った。
その言葉でさらに怒った教師は、暁に職員室に来るように言って、終業式が終わった。
「…天野くん、大丈夫かな…?」
朔羅は小さく呟いて後ろ側の暁を見た。
そんな朔羅の心配をよそに、暁は大きな欠伸をして「めんどくせぇ…」と頭を掻いていた。
―職員室―
暁は職員室にいた。
長い担任の説教を聞き、夏休みに入ってからの二週間、夏期講習に来ることを言われ、渋々了承した暁は漸く説教から解放された。
「失礼しました~…」
「来なかったら家まで行くからな!」
「行くって…」
「ちゃんと来いよ…」
「はいはい…」
手をプラプラと振りながら、暁は職員室を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!