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相楽、由紀、僕の3人はATM脇の細い路上に車を置いて中から様子を伺っていた。
長かった準備期間を思うと僕の心臓もそれと比例して高鳴るのが分かる。
「いよいよだね♪」
相楽が楽しそうに言う。
「緊張って言葉知ってる?少し黙っててよね」
それにイラついたのか由紀はジトッと相楽の顔を睨む。
この2人さっき顔を合わせたばかりなのりもう打ち解けている。
…と言うよりまるでボケとツッコミである。
「シッ!警備員が出て来た」
時刻は23時を回っている。もちろん銀行の従業員は全員帰宅に着いている。
「よし念には念を入れて後2時間位様子見ようぜ。」
僕は言ったがすぐに相楽に否定された。
「こうゆうのは時間をかければかける程リスクが高くなるんだよ?せめて1時間にしようよ」
しばらく口論した後、相楽が意見を曲げない為僕が折れた。
「分かった、じゃあ最後に道具と手順をもう一度確認しとこうぜ」
僕は車のトランクにしまってあった大きなバックを出すと車の中に戻った。
「使う道具の話しはしたよな?役目のほうもいいよな?」
僕は相楽を見ながら話す。
「大丈夫だって、俺と勝人がATMをこじ開けるんだろ」
相楽が得意げに言う。
「それでか弱い女の子の私が見張りってな感じよね?」
由紀が皮肉混じりに言い放つ。
…こいつ、会った時とどんどんキャラ変わってってるな。
僕は心の中で思ったが言葉にすると面倒になりそうだったので止めておいた。
そんな僕を由紀は不思議そうに眺めていたがすぐ銀行の方に向きを変えた。
時刻は1時 きっかり。
「行くぞ!」
僕の言葉と同時に3人は銀行に向かって走り出した。
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