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それは、広也が卒業を迎える年になってもなかなか就職活動を行わず、焦りも見せないことがきっかけだったのかもしれない、と美咲は思う。
友達の彼氏のほとんどは、大手に内定が決まっているか、もしくは働いている。
それなのに広也は、将来のことは関係ないとばかりに、宮本とつるみ遊んでばかりいるのだ。
美咲がどうするつもりなのか問い掛けても、
「先の事はわからない」
「縛られたくない」
と言うばかりで、はぐらかされてしまう。
先の事はわからないという言葉は暗に、広也の未来に、美咲が組み込まれていないことを表している。
美咲の気持ちは、広也から少しずつ離れていった。
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