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いつも僕らは深い闇の中にいるんだ。
泥だらけの、穴だらけの汚い衣服を身にまとい、山座りで佇んでいる僕達。
あぁ……夜の僕達はまるで、この世にいないかのように闇に熔けてしまう。
消えたくない。消えたくないよ。輪郭を取り戻したいよ。世界を見たいよ。光がなければ何も見えない。
でも、朝は嫌いだ。
あぁ……こないで……
僕達に小さな光を見せないで……。
どうせ……どうせ上からあの小さくて、とても輝かしい光を嫌味気に見せ付けるくらいなら、僕達から視力を奪えばいい。
手を伸ばしても、どんなに這い上がろうとしても、爪が剥がれ血を流すだけ……この暗闇の底からは逃れられやしない。
あの光を両手一杯に、体中に浴びることなどできやしない。
それでも、僕達は今も生きてしまう。こうして最悪の中で生き延び続けてしまう。
誰も上から手を差し伸べやしない。誰もこの中にいては助からない。
だから……せめて僕は……
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