友人拳王との出会い

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友人拳王との出会い

私には拳王という名の友人がいる。 …いや、正確には『いた』だな。なぜなら彼は現在失踪中。 おわかりの方もいると思うが、北斗の拳のラオウがその名の由来だ。 豪快で彼の口から出る自らの武勇伝はまさにラオウ。 6年前に初めて出会った時から彼は豪快だった。 中国地方のY県出身の彼は、出身高校がいかにヤンキー高校だったかを力説し、そこを自分が支配していたと語ってくれた。 (しかし、彼の体は極細で後に私達の間では『マッチ棒』と呼ばれる事となる) さらに彼は、 『同級生もみんな俺を怖れて《さん》付けで呼んでいた。呼び捨てしたのはお前が初めて』 と言った。 彼の話の大きさに私は戸惑いつつ、その後も彼の武勇伝話は続き、喧嘩は3度のメシより好きで負けた事が無いと語った。 その割にはこぶしに喧嘩コブが無いなと思ったが、そこはスルー。 とにかく彼が自ら語るエピソードはとてつもなく破天荒で『豪快な男』というイメージだけを残し、その場はお開きに。 これが後に回りの人間を巻き込み、数々の大事件を起こす彼との出会いだった。 この出会いを境に、希代の詐欺師『拳王』と被害者達の現在も続く長き戦いが始まる。
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