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このまま坂道を下ると、海に出てしまう。
ちなみに、少女の家とは逆方向だ。
爪先で小石を弾き、少女はまだ果物を追って居た。
スピードは、徐々に落ちて来て居る様だ。
緑の木々の間から、青く輝く海が見えて来た。
果物が石にせき止められ、少女の足もようやく止まった。
足下にある果物を見下ろすと、大きな溜め息を吐いた。
転げ落ちてボロボロになった果物は、土にまみれ、見るも無残な姿になって居る。
少女は、力一杯に果物を蹴り上げ、坂の下まで飛ばしてやった。
ふんと鼻を鳴らすと、そのまま、地面にしゃがみ込み、袋から、甘い香りを漂わせる果物を取り出し、ガブリとかぶりついた。
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