11人が本棚に入れています
本棚に追加
どうしてあんなこと言ってしまったのか、いまだに俺にもよくわからない…
秋の日曜日の午後、久しぶりに昨日から俺の部屋に泊まっている有香は、俺の洗い晒しの白い綿のシャツを羽織り、ベッドの上にくつろいだ表情で座っている…
俺はそのベッドの下で有香に背を向けてギターをいじっている…
関西の大学で卒業までバンドやってたけど、この春九州に就職が決まり着任してからは、忙しくて休みの日にいじるくらいが関の山だ…
幸せだなと感じる瞬間だ…
その時俺の携帯にメールが入った…
それをみた瞬間、俺は有香に告げなければいけないことがあることを思い出す…
ずっと気持ちに引っかかっていて言い出せなかったこと…
「有香、聞きたくないかも知れないけど言わなきゃいけないことがあるんだ」と唐突に俺が言うと…
「なあに?嫌なことだったら聞きたくないよ」と不安そうな瞳で俺を見る有香…
「前から言わなきゃって思ってたんだけど、有香は聞くとショックかもしれないけど、嘘をついたままではつき合えないから…」
有香は黙ったまま俺を見つめている…
「俺実はさぁ、関西に彼女がいて卒業以来逢ってはないけど、ちゃんと終わらせてもないんだ」
最初のコメントを投稿しよう!