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合宿二日目の朝は、右京氏のこんなセリフで始まった。
「とゆーわけで、お前はこの合宿中、一人で特訓な」
「…え゙?」
右京氏の言葉に、オレは焼き魚をつつく手を止めてしまった。
…いや、聞いてませんよ、そんなこと。
「言ってなかったからな」
当然だろ、とでも言いたげな顔だ。
「…何でですか?」
ひとまず落ち着き、理由を聞く。
「んー…そうだな…」
言った後、右京氏はたくあんを口に入れ、数秒で飲み込む。消化器官に悪い食べ方だ。
しばらくして、
「…ドラウプニル」
オレは自分の右手首に目を落とした。
見事な金色の腕輪・<ドラウプニル>が、誇らしげに光り輝いている。
「実はそいつには、魔力を貯める以外にも、使い道がある」
「マジですか!?」
「オレが嘘を言ったことがあるか?」
ここはあえて、首を横に振っておく。
「ただ…それはオレが説明できるほど、簡単なモンじゃない」
タバコを取り出そうとした右京氏は、『室内禁煙』の貼り紙を見て、その手を止めた。
「だから、お前の指導は、武器の専門家に任せといた方がいい、って思ったわけだ」
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