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(二枚…いや、三枚か?)
ゴンの手元に、視覚を始めとした、全ての神経を集中する。
ふわっと、柔らかに皿が投げられた。放物線を描いて上昇していくそれは、やはり三枚。
右腕と指を、まっすぐ伸ばす。照明の光を受け、ドラウプニルが黄金の輝きを放った。
皿への『道』を頭の中でイメージし、魔力を練り上げていく。
連なって舞う三枚が、放物線のてっぺんに差し掛かった瞬間、『道』のイメージが終わった。
イメージは崩さず、その通りに魔力を流し込む。
「だあッ!」
気合いの一声。
─パキンッ!
乾いた音をたて、皿を黄色く光る魔力の塊が貫いた。
その形は、針。
(後は…)
慎重に、魔力の針をドラウプニルに戻していく。
短くなっていく針。先端付近にある皿も、オレに近づいてくる。
十分に引き寄せた所で、皿を三枚とも引き抜いた。
「ふぅ~~~…」
ため息。
「はい! 合格ッス!」
拍手するゴンは笑顔だ。オレもつられるように笑う。
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