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「………」
まずは葛西が、目を丸くして黙り込む。
「………」
次にオレが、目を逸らして沈黙した。
「………」
「………」
この部屋には鹿威しが無ぇからな…。静けさが際立つぜ。
「…どうして?」
責めるような問いかけが、オレの心に突き刺さる。痛い…。
「…さっき、葛西の母さんから聞いたんだけどさ…」
夢海さんから聞かされた話を繰り返す(読み方忘れてないか? "ゆみ"だよ?)。
聞いてる間も、聞いた後も、葛西は黙っていた。
「晴十郎さん…葛西のことを心配してるから、クラスマッチには出させたくないんじゃないか?」
「………」
葛西の表情は複雑だ。一言で言い表すことができない。
ややあって、呟くように言う。
「そうかもしれないけど、でも…いきなり休んだら、メンバー足りなくなって、みんなに迷惑だよ…」
「大丈夫だよ!」
苦笑も混ぜて言ってやる。
「学園側だって、何かしら考えてくれるだろ。他のメンバーには、オレがちゃんと納得させるし」
「………」
それでも、葛西は首を縦に振ろうとしない。
体の4割くらいは、優しさでできてるような子だし、分かる気もすんだけどね。
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