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同日 18:30頃───
桜峰魔術師学園の北校舎。
職員室や事務室など、事務の中枢が置かれている場所。
その1階の職員室に、クラスの準備を終えた木宮が来ていた。
右京に呼び出されたためである。
「………」
軽くノックし、入室した途端、
「教頭! もっとしっかり押さえてください!」
「押さえとるわぃ! ちょっと若さが足りんだけじゃて!」
「まったく…。何で理事長の考えは、私たちにマイナスに働いてばかりなんですか?」
「あの人の性格だ。諦めた方がいい」
「はー…。ですよね~…」
教師たちの怒号と愚痴が、堰(せき)を切ったように流れ出てきた。
学園祭は、生徒たちだけのものではないのである。
「あれ? えっと…1Eの木宮か?」
ある男性教師に声をかけられ、木宮はコクンと頷いた。
毛ほどの感情も込もっていない視線に、少し気圧されたのか、
「え~っと…何の用かな?」
先を急ぐ。
「…右京先生はいらっしゃいますか?」
「ああ、右京先生? いるんじゃないかな?」
「そうですか」
冷たく返し、木宮は右京の席に歩き出す。
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