1.短いようで長い

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夕方─── 輝く太陽が、水平線の向こうへ沈んでいく。真紅の光が窓から差し込み、部屋を包む。 「………」 オレ…旅に来たんだな…。しみじみだよ、うん。 大自然の雄大さに、心を奪われていると、 「…クソッ……クソッ……」 部屋の隅から、不気味な呪詛が漂ってきた。 慎士である。 「オレの…いや、男たちの夢が……」 立ち直れ。その真っ黒なオーラが部屋を包んでしまう前に。 「夢も希望も剥ぎ取られた男の気持ち…。お前に分かるのか!?」 夢や希望を奪う追い剥ぎなんて聞いたことねーよ。 が、慎士は妖しげに含み笑い。 「だがな、鋼介…。オレの夢は、まだ消えたわけじゃねーぜ…」 なんとなく分かるが聞いておく。 「どういう意味だ?」 「ここに来て、すぐに調べたんだがな…」 慎士は何故か小さい声になる。 「ここには、時間交代制の巨大露天風呂があるんだそーだ」 …で? 「まだ分かんねーのか?」 いや、分かってるけど聞きたくない…。
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