プロローグ.騒動の前には静寂がある

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「………」 文字では表現しにくい、すごい顔でメンチを切ってくるユーリ。 (…ふむ……) どうするべきか…。 「「………」」 しばらく睨み合った後、 「…こんにちは、いい天気ですね(裏声)」 裏声作戦を選んだ。 失敗だったと気づくのに、それほど時間はかからなかった。 ─ガシッ! 胸ぐらを掴まれ、 「何でアンタに解けてあたしに解けなかったのよ~~~!!」 前後に激しくシェイク。 「~~~…!」 決めた。オレは今後、絶対にバーテンダーにはならない。 こんな残酷なマネ、オレに良心が残ってる限り、できやしない。 悲惨な目に遭ってから、約10分が過ぎた。 心なしか、脳ミソがまだ揺れている気がする。初めてだぜ、こんな臨死体験。 「………」 半死半生の脳内に、懐かしい"あの"セリフが浮かんでくる───
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