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「「!!」」
ぎょっとして振り向いた先には、彼らの担任が棒立ちしていた。
「ううう、右京サン!」
慎士はかなり動揺している。それでも声が大きくならないのは、ある意味立派だ。
「…何してんだ、お前ら」
「いや、あの…」
言葉に詰まる慎士に代わって、
「えっと…暇なんで、天体観測に…」
関が勝ち目ゼロの言い訳をした。
「お前らよぉ…」
右京の目は厳しく光る。観念した二人は、
(ここまでか…。短かったなぁ…)
(2ページ目でゲームオーバーかよ…。せめて5ページはやりたかった…)
なんてことを考えながら、地面を見つめていた。
「そっちから行くのは得策じゃねーぞ。何やってんだよ」
「はい。………はい?」
二人は顔を上げ、右京の顔を凝視した。
「まさか…右京サン……」
慎士が感激したように震えていると、右京はニヤリと口元を歪め、小さな声で高らかに言った。
「…さぁ行くぜ、勇者たちよ!」
「「はい!」」
もしこの場に鋼介がいたら、全身全霊をもってツッコんでいたことだろう。
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