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8:55頃───
オレは隣の大部屋に来ていた。木宮、西沢、今はいない関の、三人が泊まっている。
「二人とも、見つかったらどんな目に遭うかな?」
「笑いながら聞くことじゃねーだろ」
こいつ、人畜無害そうな顔してるわりに、意外とサドだな…。
「もし時間になっても帰って来なかったら…どうする?」
「…さぁな」
オレは時計の秒針が動くのを、ぼ~っと眺めていた。
9:10頃───
「悲鳴だね、今の」
西沢の笑顔に恐怖しつつも、部屋まで届いた声を識別する。
一つは慎士。もう一つは関で間違いないとして…、
「残りの一つは?」
「右京先生じゃない?」
「………」
もしそうだったら、世も末だな…。
10:00ジャスト───
木宮が本を閉じ、立ち上がる。それと同時に、
「来ないね」
西沢は言った。対するオレは、
「………」
沈黙する…。
「お風呂、行こ」
「…ああ」
体よりも先に、三人分の血を洗い流すことになりそうだ。
やれやれ…。
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