+α.夢を追うのもほどほどに

7/7
前へ
/562ページ
次へ
8:55頃─── オレは隣の大部屋に来ていた。木宮、西沢、今はいない関の、三人が泊まっている。 「二人とも、見つかったらどんな目に遭うかな?」 「笑いながら聞くことじゃねーだろ」 こいつ、人畜無害そうな顔してるわりに、意外とサドだな…。 「もし時間になっても帰って来なかったら…どうする?」 「…さぁな」 オレは時計の秒針が動くのを、ぼ~っと眺めていた。 9:10頃─── 「悲鳴だね、今の」 西沢の笑顔に恐怖しつつも、部屋まで届いた声を識別する。 一つは慎士。もう一つは関で間違いないとして…、 「残りの一つは?」 「右京先生じゃない?」 「………」 もしそうだったら、世も末だな…。 10:00ジャスト─── 木宮が本を閉じ、立ち上がる。それと同時に、 「来ないね」 西沢は言った。対するオレは、 「………」 沈黙する…。 「お風呂、行こ」 「…ああ」 体よりも先に、三人分の血を洗い流すことになりそうだ。 やれやれ…。
/562ページ

最初のコメントを投稿しよう!

101479人が本棚に入れています
本棚に追加