101479人が本棚に入れています
本棚に追加
…ん? つまり…、
「右京氏が指導してくれるんじゃないんですか?」
「ああ。オレには、残りの九人の指導もあるし」
右京氏は煮物に箸を伸ばしながら、ダルそうに言った。
「お前の指導は、その教官に任せる」
オレの頭の中で、顔に大きなキズを持つ、ゴツい中年オヤジが浮かんできた。
いかん。"教官"って聞くと、どうにも怖いイメージしか出てこねぇ…。
「どんな人なんですか、その人?」
みそ汁に箸を伸ばしつつ、聞いてみた。
「面倒くせぇヤツだな」
ずいぶん簡単に言うな、この人は。
「なにしろ、連絡先がはっきりしねぇ輩だからな…。今回の合宿に呼ぶのだって、それなりに苦労したんだぜ?」
「………」
こんなアブノーマルな連中に囲まれて、マトモな特訓ができるのか…?
拭い去れない不安を胸に、食後のお茶をすするオレだった。
…頑張って無視してきたがもう無理だ。書かせていただこう。
右京氏や慎士、関が身体中青アザだらけなのは、言うまでもない。
最初のコメントを投稿しよう!