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8:00頃───
「第一訓練室……第一訓練室……」
メモ用紙の言葉を繰り返しながら、長い廊下を進んでいく。
"教官"は第一訓練室で待っており、訓練もそこでやるらしい。
「………」
やっぱり緊張するな…。相手が右京氏だったなら、緊張することも無かったろうがね。
考えている内に、目的の部屋にたどり着いた。巨大な白い扉が、デンと控えている。
「………」
しばらく立ち尽くした後、扉を開け放った。
白い壁と床が作り出す、広大な空間が広がっていた。理事長室にあった、隔離空間に似ている。
その部屋の中心に、"それ"はいた。
頭には深緑の葉を乗せ、背中にはあみがさを背負っている。足元には、棒にくくり付けられた風呂敷まで置いてあった。
全身を黄色い体毛が覆っており、フサフサの尻尾は二本も生えている。
"それ"はオレに気づき、
「あ! どもッス! 神崎サンッスね!」
話しかけてきた。
「………」
…右京氏。悪い冗談だぜ、こりゃぁ…。
ドラウプニルの力を教えてくれる"教官"が…
キツネだなんて、さ…。
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