プロローグ.騒動の前には静寂がある

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「どうでもいいけど、"リーダー"はやめろ」 「分かりました、隊長」 笑顔で敬礼する西沢。冷たい視線を注ぐオレ。 「名前で呼べよ」 「本当にすみません。鋼介閣下」 「…謝る気無いよな?」 て、コントやってる場合じゃねーな。 「で? 何の用だ?」 「ああ、そうそう」 西沢はそう言いながら、A4の紙を一枚、差し出してくる。よく見ると、他にも何枚か持っていた。 「右京先生から、クラスマッチの代表選手全員に、だって」 「…その関係か」 「がんばってよ? 仮にも神崎君は、E組のリーダーなんだから」 「良ければ変わるぞ?」 「良くないから、遠慮しとくよ」 長いものには巻かれる主義。まったく、凡人を絵に描いたようなヤツだ。 駅前とか歩いてみ? 絶対どこかにいるぜ。 「さっき、慎士君にも渡してきたんだけど…」 「もう九割くらい機能停止してるだろ?」 すると西沢は、眩しいばかりの笑顔で聞いてきた。 「"石化"は、"機能停止"と一緒かな?」 …まだ石になってんのか、アイツは。
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