101479人が本棚に入れています
本棚に追加
「どうでもいいけど、"リーダー"はやめろ」
「分かりました、隊長」
笑顔で敬礼する西沢。冷たい視線を注ぐオレ。
「名前で呼べよ」
「本当にすみません。鋼介閣下」
「…謝る気無いよな?」
て、コントやってる場合じゃねーな。
「で? 何の用だ?」
「ああ、そうそう」
西沢はそう言いながら、A4の紙を一枚、差し出してくる。よく見ると、他にも何枚か持っていた。
「右京先生から、クラスマッチの代表選手全員に、だって」
「…その関係か」
「がんばってよ? 仮にも神崎君は、E組のリーダーなんだから」
「良ければ変わるぞ?」
「良くないから、遠慮しとくよ」
長いものには巻かれる主義。まったく、凡人を絵に描いたようなヤツだ。
駅前とか歩いてみ? 絶対どこかにいるぜ。
「さっき、慎士君にも渡してきたんだけど…」
「もう九割くらい機能停止してるだろ?」
すると西沢は、眩しいばかりの笑顔で聞いてきた。
「"石化"は、"機能停止"と一緒かな?」
…まだ石になってんのか、アイツは。
最初のコメントを投稿しよう!