何となく

2/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
早くも5月。 私の楽器はチューバに決まり,今は皆個人練習をしている。 皆は もう音階がほとんど吹けてきている。 私はと言うと、まだチューニング音(ド)も吹けなかった。 『ぁ~・・・ 何て言うかなぁ もっとさ・・・』 私の成長の遅さに先輩がイライラしてるのには良く気付いていた。 と言っても今はこれ以上上手く出来ないのだから 『すみません』 と謝るしか出来なかった。 ―――次の日 『今月の定期演奏会人数の関係で1年生からも何人か出します』 先生が言った。 「誰が出るんですか!??」 「何人出るんですか?」 皆が次々と質問を投げ掛けるなか先生が言う。 『今から1年のメンバー言うから静かに~』 ......... 『中西由香,水沢春海・・・』 まぁ私には関係無いかぁ。 チューニングまだ出せないしねー。(汗 『...坂田絵里。以上です』 ...ぇ!!? 何故に私が呼ばれる?! 無理無理無理無理だって!! 『頑張ってね☆』 ...先輩の声が遠く聞こえる。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!