†2⃣章†

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目の前は交差点 信号は赤だから車が目の前を次々と通過していく 周りの歩行者も信号が青になるのを待つ ようやく信号が青になった周りの歩行者より僕は少し早めにでた まだ歩行者の信号は赤 車の信号も赤     僕の2歩目で信号は青になった     僕の3歩目で車道まででた     僕の4歩目で周りの歩行者も交差点を歩きだした     僕が7~9歩目ぐらいで、車が走ってくる音が聞こえた その車はスピードをゆるむ事もなく僕が歩いている交差点へやってきて       運転席をみたら     運転手は、眼をつぶっていた     運転手は、ハンドルを持ちながら、寝ていた     いつもの俺ならすぐに逃げてたよ?信号無視だし     でもその時は別に逃げるなんて事、考えてなどいなかった その時は、ただなんとなく、これで死ねるかな?と思った。だから僕は交差点の途中で、車と衝突するだろう位置で、立ち止まった   車はスピードを一向に緩めずに僕へと向かって来る 周りの歩行者はざわめくが、誰も僕には近付いてこない   誰も僕を助けない 誰だって、自分の命は惜しいだろうから… だから助け等いらない… 車と僕の差はもうあと数cm あと2、3秒で衝突… なんだろな、この気持ちは… 吹っ切れた感じ…でもまだなにか後残りがあるこの複雑な感じ… 周りの歩行者が叫びだす その中で僕は静かに目を閉じる… これでようやく、死ねるのかと想いながら………閉じた目を開けると、車の音と、歩行者の叫び声の中に混じって、俺をあだ名で呼ぶ彼女達の声が聞こえた
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