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目の前は交差点
信号は赤だから車が目の前を次々と通過していく
周りの歩行者も信号が青になるのを待つ
ようやく信号が青になった周りの歩行者より僕は少し早めにでた
まだ歩行者の信号は赤
車の信号も赤
僕の2歩目で信号は青になった
僕の3歩目で車道まででた
僕の4歩目で周りの歩行者も交差点を歩きだした
僕が7~9歩目ぐらいで、車が走ってくる音が聞こえた
その車はスピードをゆるむ事もなく僕が歩いている交差点へやってきて
運転席をみたら
運転手は、眼をつぶっていた
運転手は、ハンドルを持ちながら、寝ていた
いつもの俺ならすぐに逃げてたよ?信号無視だし
でもその時は別に逃げるなんて事、考えてなどいなかった
その時は、ただなんとなく、これで死ねるかな?と思った。だから僕は交差点の途中で、車と衝突するだろう位置で、立ち止まった
車はスピードを一向に緩めずに僕へと向かって来る
周りの歩行者はざわめくが、誰も僕には近付いてこない
誰も僕を助けない
誰だって、自分の命は惜しいだろうから…
だから助け等いらない…
車と僕の差はもうあと数cm
あと2、3秒で衝突…
なんだろな、この気持ちは…
吹っ切れた感じ…でもまだなにか後残りがあるこの複雑な感じ…
周りの歩行者が叫びだす
その中で僕は静かに目を閉じる…
これでようやく、死ねるのかと想いながら………閉じた目を開けると、車の音と、歩行者の叫び声の中に混じって、俺をあだ名で呼ぶ彼女達の声が聞こえた
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