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智「うぃ~。ねむ・・・。」
学校へ向かう途中呟く。
智貴は低血圧なため、目覚めがとても悪い。
家を出てすこしすると、遠くで少女が泣いていた。
気になったので近付いてみる。
そこには確かに、地面に座り込んで大泣きしている少女がいた。
歳でいうと10歳くらいだろうか。
智「えーと、どうしたの?」
笑顔で話しかける。しかし、
「うぅ・・えぐ、気安く・・・話しかけないで!」
少女は泣きながら言った。
智(なんだこいつ。でもほっとくわけにはいかねぇし・・・。)
智「そんなこと言わないで、どうしたんだい?」
先ほどより優しく、あくまで笑顔で話しかける。
「うる・・さい!私を誰だとおもってるの・・・。さっさと・・消えて!」
プッチーン!
智貴の中のなにかが切れた。
「キャッ!」
智貴は少女を俗に言うお姫様抱っこをした。
「ぶ、無礼者!何をする!」
少女は智貴の腕の中で暴れだした。
智「うるさい!」
「はひっ!」
智貴の一喝で少女が静まる。
智「お前、名前は?」
「え?・・・いや。」
智「言え!」
「・・・愛。」
智「愛か。家の場所はわかるか?」
愛は首を横に振る。
智「まじかよ・・・。」智貴は愛を抱えたまま、あてもなく歩きだした。
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