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しばらく待っていると迎えの車が来た
ちょっと待っててと天城は車に駆け寄り二言三言交わし戻ってきた
「ラッキー♪お母さん一緒じゃなく青山だけだった」
「…青山さんって?」
と僕が聞くと
「家の運転手」
と平然と天城は答えた
運転手がいるのか?
確かに大きな家だったしお父さんがどこぞの会社の社長でもやっているのだろう
我が家と比較し少し肩身の狭い思いがした
「はい、これ」
と天城がさっき買った袋を渡してきた
「リボンも何もないしちょっと早いけどクリスマスプレゼント」
クリスマスプレゼントかぁ…
そういえば後一週間でクリスマスだ
そんなイベント完全に失念していた
「…ありがとう」
と袋を受け取りながら
「…ごめん。クリスマスなんてすっかり忘れていて」
と僕は頭を掻いた
「ううん。いいのいいの。この間のお礼って言ってあるでしょ。
ほら、中を見て」
と急かされた
「…う、うん」
袋を開けたらブルーの暖かそうな手袋が入っていた
「直樹が自転車漕いでいるの見ていたら手が冷たそうだったから」
と天城は笑った
「…大事にするよ」
僕も笑った
「じゃあ、また電話するね」
そう言って天城は手を振り車に乗り込んだ
車を見送った後、僕はデパートへ戻った
もちろん天城へのクリスマスプレゼントを買う為に
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