出会い

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  "それ"は「女子高生」 だった K女子高の制服を着た 女の子が倒れていた (…!?) 様子を見ようとゆっくりと近付く   背中まで伸びた真っ黒で真っ直ぐな髪 頬がやや赤らんだ白い肌 綺麗な形の鼻 少し開いている薄い唇 長い睫毛 閉じられた瞳 幼げな面差し 華奢で脆そうな身体 投げ出された格好の手足 その姿は羽織っているコートが拡がって羽根の様だった   (天使みたいだ…) 思わずつぶやいた しかし現実には天使などいる訳もなく、もちろん寒空にマクドナルドの裏でのんびり昼寝する女子高生もいない (病気…!?) やっとその可能性に思い付き僕は彼女の身体に触れた (冷たい…) 血の気がひいた 二、三度肩を叩きもしもしと声を掛けたが反応は無い 微かに息をしているのは制服の胸が小さく動いているので判った (こりゃ大変だ!) 店に入り人を呼び救急車を呼ばないと 行動に移ろうと立ち上がり走りだそうとした瞬間だった   「待って」 その声に振り向いた   「大学生?あーすっかり身体冷えちゃったよ。スカートの中覗いてないよね。スパッツ履いてるからいいけど」 気怠そうにパンパンとコートを叩きながら彼女は立ち上がり天使の顔で微笑んだ 「お腹空いてんだ。マック奢って」   悪魔か?
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