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前の満月の晩、その日は雲も無く、お月見でもしたくなるような明るい夜だった。
しかし、そんな行事は狼達によって、消え去ってしまった。
村中、狼達の来襲に備えていた。
こんなに良い夜だと言うのに・・・。
皆顔を引き締めて、自宅前の玄関にあぐらをかいて座っていたり、家の前をウロウロしていた。
村人同士で不安そうに、目配せをしたりキョロキョロしている者もいる。
手が空いてる者は、口も聞かず、話すことと言えば・・・
「まだ、早いよな?」、
「もう、準備は出来たか?」
心配そうに、少しでも不安を和らげるために、互いを、互いが励ましあっていた。
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