☔記憶の欠けら☔

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 前の満月の晩、その日は雲も無く、お月見でもしたくなるような明るい夜だった。 しかし、そんな行事は狼達によって、消え去ってしまった。 村中、狼達の来襲に備えていた。 こんなに良い夜だと言うのに・・・。 皆顔を引き締めて、自宅前の玄関にあぐらをかいて座っていたり、家の前をウロウロしていた。 村人同士で不安そうに、目配せをしたりキョロキョロしている者もいる。 手が空いてる者は、口も聞かず、話すことと言えば・・・ 「まだ、早いよな?」、 「もう、準備は出来たか?」 心配そうに、少しでも不安を和らげるために、互いを、互いが励ましあっていた。 .
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